空気が歪んでいるんじゃないかと思うほどに暑い夏。
セミや虫の声がうるさく、暑さにぼーっとしているとそこが現実なのか夢なのか分からなくなることもあります。
そして日本固有の、夏の大きなイベントと言えばお盆です。
亡くなった先祖や家族などがこの世に帰ってくるといわれる、日本では非常に大事なイベントです。
「お盆が永遠に続いたらいいのに」
そんな幼い子供の願いが叶ってしまい、壮大な生者と死者を巻き込む冒険へと発展していく傑作漫画『盆の国』を今回はご紹介いたします。
作者は『大きい犬』などのスケラッコ先生。独特のタッチの絵と、可愛らしい「おしょらいさん」に癒される漫画になっており、最後にはガッツリ泣いてしまうかなり読み応えのある作品になっています。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
盆の国 | スケラッコ | リイド社 | 2016年 |
『盆の国』を読んだら……
永遠に繰り返されるお盆での大冒険にドキドキワクワク、そして感動までもらえます。
『盆の国』はどんな漫画?
『盆の国』は全8話で構成された1巻完結の漫画です。
漫画の舞台は京都で、ちょうどお盆の期間で賑わう「六堂町」での物語です。
主人公の秋ちゃんは、お盆になって帰ってくる死者(おしょらいさん)が見えます。
この作品の世界では、あばあちゃんも「昔は見えた」と言っているのでおしょらいさんが見える事は珍しくはあるけれど、なくはない現象――ぐらいの位置づけかと思われます。
昔飼っていたペ、亡くなったおじいちゃんなどがおしょらいさんとして出てくるのですが、それがとても可愛くて癒されてしまいます。
どこの家のおしょらいさんも、どこか憎めないかわいらしい見た目なのです。
そしていつも通りの盆を過ごしながら、秋は「お盆が永遠に続けばいいのに」と願っていました。
ある日、朝起きて日付を確認すると、同じ日を繰り返しているということに秋は気づきます。
さらに同じタイミングで、色白でいつも浴衣を着ている不思議な青年「夏夫」と出逢う秋。
なぜお盆は永遠に繰り返されるようになってしまったのか?
突然であった不思議な青年、夏夫は誰なのか?
――というお話。
全体的に絵の感触は優しく柔らかな感じで、見ていて心が癒されるような雰囲気を持っています。
そして物語はしっかりと大きく展開していき、最後は全ての謎も解け、がっつり感動できるような構成になっています。
物語のテイストとしては『千と千尋の神隠し』であったり、『サマーウォーズ』のような匂いも少ししました。
幼い頃に漠然と夏に対して感じていた怖さやワクワク感等の描写が秀逸なので、ぜひ夏の季節にでもゆっくり読んでいただきたい一冊です。
『盆の国』を読んだ皆さんの反応
『盆の国』は幼かったあの頃感じたワクワクと怖さが詰まった永遠に終わらないお盆の物語
『盆の国』は全体で250ページほどの作品です。
序盤はおしょらいさんの可愛い姿に癒され、中盤は冒険で心踊らされ、最後にはしっかり泣かされるとてもよくまとまった傑作1巻完結漫画です。
お盆に帰ってくるご先祖様がとにかくひたすら可愛いので、それだけでもなんだか死者の国、死後の世界を想像するのが嫌でなくなるような、不思議なほんわかした魅力を持っています。
お盆のあちらの世界を想像しながら、ゆっくりと読んでみて欲しい傑作漫画です。
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