2002年にテレビ放映されたアニメ『朝霧の巫女』は、原作漫画である『朝霧の巫女』との設定の違いなどから制作側と原作者である宇河弘樹先生とがちょっと上手くいかなかった事は知る人ぞ知るプチ事件。
それはさておき、『朝霧の巫女』をよりスムーズに理解するためには『朝霧の巫女』の原型とも言えるし、前日譚とも言える今回ご紹介する短編集に収録収録されている読み切り作品を読む事がほぼ必須。
そしてそれだけではなく、ちょいエロからシリアスなものまで、非常に幅広いジャンルと絵柄の作品が詰め込まれているのが、今回ご紹介する短編集『妖の寄る家』です。
※妖と書いてあやかし、と読みます。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
妖の寄る家 | 宇河弘樹 | 少年画報社 | 2003年 |
『妖の寄る家』を読んだら……
妖怪から暴走するアノ警察のマスコットまで、同じ漫画家さんとは思えないほどに異なるジャンルが楽しめます。
『妖の寄る家』はどんな漫画?
『妖の寄る家』には、全部で10の読み切り作品が収録されています。
その内最初の3つのお話が『朝霧の巫女』に繋がる物語になっています。
それぞれネタバレしすぎない程度に簡単にざっくり紹介しますので、読むのに迷っている場合の参考にしてください。
妖の寄る家~昭和霊異記Ⅰ~
『朝霧の巫女』と登場人物も被る、妖怪と日本神話を混ぜたような物語。
どことなく京極夏彦先生の妖怪小説を思い出すのは僕だけでしょうか?
このエピソードでは、付喪神との出会いが描かれています。
猫に憑く血~昭和霊異記Ⅱ~
『朝霧の巫女』でも大活躍のこまちゃんとの出会いを描いた物語。
道歩いてて猫又拾っちゃうとか、めちゃ羨ましいです。
山を魅る子~昭和霊異記Ⅲ~
昭和霊異記最後のお話は、主役である天津忠明が不思議な力を手に入れた秘話が描かれます。
一転していきなりヘビーな描写が多い作品になっており、ちょっとびっくり。
もちろん、超絶グロイとかではないのですが、いきなり目玉取られたりはするのでご注意ください。
でも一番濃くて面白いですし、『朝霧の巫女』ファンは必読です。
狐精騒動記
護国禅師の門弟と、妖狐、そしてほぼただの爺さんな師匠とのドタバタ短編。
実験的ながらも、こんなコミカルなアクションもできる!という気概を感じる一作。
特務検定最前線
文部大臣直属組織「教育監査室」!
なんか名乗りのシーンで思わず吹いてしまった僕は読み方合ってますかね?
とにもかくにもスケバン刑事なお話。
官憲横暴ビーボくん
この短編集の中で最もヒドイお話(良い意味で)。
あの警察のシンボルが悪い方向に大活躍する最低なお話(良い意味で)。
もしかしたら作者はパトレイバーっぽいのやりたかったけど、ヤケクソになってビーボくん使って暴れたんじゃないか? と勘ぐるレベル。
宇宙保健医フミエさん
宇宙で異星人を診るフミエさんのお話。
途中大幅に端折られるので、ここも端折ります。
龍門亭的姑娘
龍門亭は今日も大忙し!
中華料理屋(というか中国のお話っぽい)でのドタバタ劇。
好!
円環の廃都
なんかいきなりめっちゃハードボイルドな絵柄に。
円環、すなわちガンダムで言うところのコロニーのような、円状になっている都市での物語。
多分マトリックスなお話。
こんなタッチでも描けるのか!という部分に驚き
流れ星の夜
↑↑の後での流星となって降ってくる魔法少女のかわいいお話。
ギャップがエグイ笑
最後までかわいらしい絵柄とかわいらしいお話。
『妖の寄る家』を読んだ皆さんの反応
妖怪系は一定のコアなファンがいるのです。ちなみに僕も妖怪好きです。
ビーボくんは本当に最低で下品な作品です(良い意味で)。
『妖の寄る家』は雰囲気も絵柄も異なる実験的10の物語が読める、漫画家宇河先生のポテンシャルも知れる貴重な短編集
物語毎の濃さは正直そんなにありませんが、それでも絵柄であったり世界観の作り方であったり、全然違う漫画家さんが描いているのでは?とすら思ってしまいます。
やはり漫画家というのは凄いンですね。
そして、この『妖の寄る家』には繰り返し書いているように『朝霧の巫女』をより深く楽しむ上では必読の物語が収録されているので、ぜひ朝霧ファン(漫画でもアニメでも)の人は読んでみて欲しいです。
呪術廻戦と呪術廻戦0の関係に近いですかね?
あとビーボくんのヒドさにもぜひ笑って欲しい(あるいはドン引き)と思います。
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