親方！ 空から女の子が！
――といえばジブリの名作映画『天空の城ラピュタ』にて冒頭でパズーが言った名セリフ。
僕の中でラピュタはジブリ映画の中でもかなり好きなアニメ映画です。
あんな夢があって楽しい物語、そうそうありませんよね？
……とまぁラピュタはさておき、今回ご紹介するのは、そんなラピュタの名セリフを明らかに意識したであろう読み切り作品『空から女の子がっ！』です。
こちらの作品は、加藤航平先生による第5回ストキンPro準入選作品（ネームと物語性のみを重視した賞）を『氷属性男子とクールな同僚女子』の殿ヶ谷美由紀先生が作画したちょっと変わった作品。
ラピュタとは全く違う、イジメで死すらも覚悟した少女と少年の感動と元気を貰える素敵な読み切り作品になっています。
『空から女の子がっ！』は一言でどんな漫画？
イジメられっこ同士の少年と少女が、どうせ飛び降りるならとスカイダイビングに挑戦し人生が本当に変わるのか確かめる青春飛び降り物語。
この時点でもう読みたい！と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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| タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
| 空から女の子がっ！ | 原作：加藤航平 漫画：殿ヶ谷美由紀 | ５９ページ | 少年ジャンプ＋ |
『空から女の子がっ！』の超ざっくりあらすじ
学校で毎日イジメられ、追いやられるようにお昼は屋上で食べている主人公の少年。
少年はこの頃、同じようにイジメられているであろう鈴芽という名前の少女を屋上でよく見かけていた。
少年と鈴芽はお互いが置かれている状況もあってか次第に話をするようになり、ある日鈴芽は少年に一枚のチラシを手渡し、次の土曜日にやってみようかな、と少年に告げた。
そのチラシはスカイダイビングのチラシで、少年は「もしかしたら鈴芽はスカイダイビングを成し遂げ、良い方向に変わってしまうかも知れない」という暗い不安を持ってしまった。
そして土曜日、スカイダイビングの会場にはなぜか少年の姿もあり、少年と鈴芽は共にスカイダイビングに挑戦することになるのだが……。
『空から女の子がっ！』のネタバレあり感想
タイトルは冒頭でも触れたように完全にラピュタを意識したもので、内容はラピュタとは違いますがスカイダイビングに挑戦する少年少女の物語。
２人はともにイジメられていて、少女の鈴芽に至っては屋上からの飛び降りを何度もしようと思っているほど。
ところがある日、鈴芽はスカイダイビングに挑戦することにします。
イジメられてて追い詰められてる女の子がスカイダイビングしようと思うほど心に余裕あるかな？とリアルに考えちゃったりもしましたがそれはさておき。
そして主人公の少年もスカイダイビングになぜか一緒に挑戦することになるのですが（本当になぜだ）、少年は鈴芽に対して黒い感情を抱いています。
「スカイダイビングして変わっちゃうんじゃないか」
「そうしたら屋上にも来なくなっちゃうんじゃないか」
「失敗してくれないかな」
などなど。
これは非常に生々しい描写でした。
そういう暗さって人間誰でも持っていると思うのです。
人が良い方向に変わっていってしまうと自分が取り残されてしまう。
だから失敗してしまえ――みたいな感情、少なくとも僕は感じた事があります。
しかしそんな暗い感情を持っている少年も、スカイダイビングによって一気に変わるのです。
高度3000メートルで少年が感情を爆発させ、鈴芽に「俺も変わりたい」と涙ながらに語るシーン、グッときました。
さらにその後の鈴芽の「いっしょに死のうぜ！」というセリフ、もっとグッときました。
そして見開きで描かれる、広く美しい世界。
ここまで思い切った行動をイジメられている人が出来るかどうかはわかりませんが、あらゆる悩みなんてチッポケだと思えるほどに世界は広く大きいのです。
――そんな大きな体験をした鈴芽と少年ですが、学校での生活が劇的に変化したわけではありません。
しかし学校の屋上から見る景色は、あの大空で見た景色に比べればものすごく低く小さい景色であり、鈴芽と少年の心は確実に良い方向へと変わったのです。
高い画力と引き込まれるストーリー、そして感動と勇気をもらえる素敵な読み切り作品でした。
『空から女の子がっ！』を読んだ皆さんの反応
『空から女の子がっ！』は人生が変わるほどの飛び降りで前向きに変わった少年と少女を描いたおすすめ読み切り漫画
イジメを受けて苦しくて飛び降りるぐらいなら、いっそ3000メートルから飛んでみるか！
――そんなぶっ飛んだ決意が起こした、ちょっとした変化と気付きにあふれた感動と勇気をもらえる素敵な読み切り作品でした。
読後感もとても爽やかなのでぜひ多くの人に読んでみてほしいです。
そしてこの『空から女の子がっ！』が面白かったのであれば、原作者である加藤航平先生と作画の殿ヶ谷美由紀先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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