読み終わって「ああいい映画を観たかのような読後感だったなぁ」と思う、本当に優れた1巻完結の読み切り漫画は多数あります。
そしてそれとは別に「この世界にずっと浸っていたいな」と思う読後感の作品もたまにあります。
今回ご紹介するのが、まさにそれ。
読み終わった後、最高に素敵な友達がいる、優しい雰囲気に満ちたこの作品の世界から現実に戻るのがとてもイヤになってしまいました。
作者は、ドラマ化された『プリンセスメゾン』が特に有名な池辺葵先生で、タイトルはかのクラーク博士の名言をもじった『雑草たちよ 大志を抱け』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
雑草たちよ 大志を抱け | 池辺葵 | 祥伝社 | 2017年 |
『雑草たちよ 大志を抱け』を読んだら……
こんな友達が学生時代にいたらなぁ……と本気で思えるほどに、素敵な友達と素敵な雰囲気に包まれます。
『雑草たちよ 大志を抱け』はどんな漫画?
漫画は高校生活が舞台となっています。
第1話から第5話までと、エピローグのついた全部で6話の構成です。
主要な登場人物は少ないので、ざっと紹介させてもらいます。
まず、ゲジゲジマユゲを気にしている、思い切った行動をよくする主人公、がんちゃん(あだ名です)。
がんちゃんの親友で、がんちゃんを毎朝遅刻しないよう起こしに来てくれるサバサバした性格のひーちゃん。
物凄く背が小さく、いつもピコピコとゲーム機をいじくっているピコ。
この三人が主要な三人となり、物語が展開していきます。
各お話は独立していますが、微妙に繋がったりはするので出来れば通して読みたいところ。
そしてこの作品の最大の魅力が、空気感です。
女子高生同士の、ゆるくて言葉少ない、それでいて通じてしまいわかってしまう不思議な関係性。
主要な3人は、クラスの中でもどちらかと言えば目立たない存在の3人なのですが、だからこそ見えている世界というのが実に心に沁みます。
主要な3人以外にも、クラスメイトや同級生との絡みがあるお話のどれもが空気感が最高で、ものすごく心地よい世界なのです。
これは本当に読まないとわからないと思うので本当におすすめしたいポイント。
そして空気感だけでなく、途中で挟まるちょっとした笑いの要素も秀逸で、ぼそっとがんちゃんが呟くセリフで何度爆笑してしまったことか。
さらに、独特な雰囲気の主要な3人がなぜ仲良くなったのか?というのも後半にかけて描かれているのですが、本当に泣けるし、沁みるエピソードです。
絵のタッチはゆるめのデフォルメで、『永沢君』などのちびまる子ちゃんシリーズのさくらももこ先生っぽい雰囲気もあります。
そんなデフォルメタッチではあるのですが、空気感を全く損なわず、むしろ各キャラクターの心情などをユーモラスに、かつ繊細に描写することに成功していてとてもマッチしている絵柄だなと感じました。
空気感よし、笑いあり、感動あり、物語の運び方も神、と、トータルで全力でおすすめしたい傑作漫画です。
『雑草たちよ 大志を抱け』を読んだ皆さんの反応
とあるお母さんに、最後泣かされるのですよね。意外でした。
本当にずっと連載して続編描いて欲しい作品です。
場所と時間を選ばず、いつ読んでも心があたたまる本当に素敵な作品だと思います。
『雑草たちよ 大志を抱け』は温かいタッチと雰囲気でじんわりと心の奥に広がる感動をもらえる大傑作単巻読み切り漫画
『雑草たちよ 大志を抱け』は、すごく素敵な世界なので読み始めたら抜け出したくなくなってしまうかも知れません。
特に、学生時代に少し目立ないグループにいた人にとってめちゃめちゃ刺さる作品な可能性あります。
そして漫画内に出てくる人物誰もがものすごく魅力的で人間くさく、愛らしい人物ばかり。
ぜひ、読んであの時を思い出して浸ってみて欲しいですし、現役で学生の方は改めて様々な事を見つめなおすきっかけになってくれる作品だと思います。
試し読みも無料で出来るので、興味があればぜひお試しください。
ブログ内で紹介してきた1巻完結・読み切り漫画の中から厳選した本気のおすすめ漫画特集、よければあわせて読んでみてください↓↓
メインで利用する電子書籍サービスに迷っている人には、本棚に背表紙表示がありコレクション欲を強く満たしてくれるebookjapanがおすすめです。
詳細は記事にしてあるので、よければ読んでみてください。
コメント