日常のありふれた光景を切り取り、意外な結末に思わず感動、そしてじんわりと泣いてしまう――そんな心温まる読み切り漫画が『式の前日』です。
タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年 |
式の前日 | 穂積 | 小学館 | 2013年 |
作者はフラワーズにて「僕のジョバンニ」を連載中の穂積さん。
デビュー作にして最高傑作との呼び声高い『式の前日』は「このマンガがすごい! オンナ編」で第2位、「このマンガを読め!」で第5位にランクインするなど、世間からも高い評価を得ました。
『式の前日』は6話のそれぞれ独立した物語を読む事が出来、そのどれもが2人の人物を中心とした「二人語り」の構成。
どの物語も「よくある」、あるいは「よくあるであろう」シチュエーションでついつい自分のことのように読み進めてしまう魅力があります。
特筆すべきは作者である穂積さんの暖かくも鋭い描写力と、二人にしかわからないような独特なテンポ感を読者にも感じさせてくれる表現力でしょう。
『式の前日』を読めば、きっとあなたの心は優しい感動に包まれます。
『式の前日』を読んだら……
予想を良い意味で裏切ってくれる短編の数々に心温まり泣かされます。
『式の前日』がしんみりじんわり泣きたい人におすすめな理由
表題の物語でもある『式の前日』は、結婚式前日の男女の様子が描かれます。
なんとも言えない二人だけの独特の間の描写であったり、少しだけ気を遣うような表情、目線など細かな「そういうのあるある!」という描写が実に秀逸です。
そして最後は予想していなかった結末に、ほろっと泣かされる、純粋に「悲しくない幸せな感動」を味わうことができます。
読み終えれば全ての謎がわかり、そして間違いなく「もう一度読みたくなる」ような構成になっています。
あらゆるエッセンスが凝縮された、大傑作です。
収録作品は他に――兄弟が過去の出来事を思い返しながら物語が進んでいく『モノクロ兄弟』。
僕も男兄弟がいるんでなんだか胸がチクチクするような感覚になりながら読みました。
売れない作家が親戚の女の子と過ごすうちに不思議な体験をしていく『10月の箱庭』。
カラスが大きなカギを握っているのですが、カラスってどこにでもいるのに案外近くではじっくり見た事ない不思議。
そんな身近にいるけれど接点の少ないカラスが密接に関わってくるファンタジー。
幼い娘と父親の泣かずにはいられない優しくて不思議な『あずさ2号で再会』。
この物語は本当に泣けます。そして本当に良いお話。
正直なところ『式の前日』と『あずさ2号で再会』だけでも買う価値あるほどです。
兄妹と母、そしてかかしの関係してくるちょっとファンタジーな『夢見るかかし』。
人の想いがモノに宿ってしまうこと……あると思います。
『式の前日』収録作品の中で唯一の前後編にわかれています。
そして夏目漱石リスペクトに溢れる猫主観の『それから』。
もうどっからどう見ても漱石ライクで僕はかなりニヤニヤできました。
――と、どれもほっこりできてかつ優しい感動をくれる物語が詰まっています。
本当に誰かを傷つけて流す涙とは真逆の、優しい涙、優しい感動を得られるお話ばかりなので日々心が荒んでしまっているような方には特におすすめです。
ああ、日常ってこんなにもあたたかいんだなぁ――なんて改めて感じることも出来るかも知れません。
『式の前日』を読んだ皆さんの声
まさにこの方の言うように短編小説を読んだ後のような読みごたえと感動があります。
この方の言う「あずさ2号で再会」が本当に一番泣けます。
才能溢れる穂積先生、そしてこの『式の前日』がデビューというとんてもない天才っぷり。
空間の切り取り方も非常に優れていて、生活感のある視点からの見せ方をしてくれるのです。
まとめ:優しくて感動的、そしてじんわり泣きたい時には『式の前日』がおすすめです
日常系、かつしんみりできてじんわり泣ける。
さらに得られる感動がすごく優しいものである。
読めばきっと忙しい日々を忘れ、少しの時間素敵なあたたかい気持ちに包まれると思います。
僕もなんだかすごくハッピーな映画を観た後のような、清々しい気持ちになりました。
――あたたかく優しいお話が読みたい方はぜひ『式の前日』を読んでみてください。
もしかしたらあたなの読み切り漫画の中でも特別な一冊になるかも知れません。
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