LGBTという言葉をよく聞くようになり、セクシャルマイノリティへの認識も大きく変革してきている昨今。
今回ご紹介するあむぱか先生の大ボリューム読み切り作品『わたしのアスチルベ』では、アロマンティックとアセクシャルを扱っています。
アロマンティックとは、誰に対しても恋愛感情を抱けない、ロマンティックの対義語にあたる言葉です。
そしてアセクシャルとは、男女問わず誰にも性的欲求を持てない人を指します。
『わたしのアスチルベ』はそんな複雑で難しいテーマをわかりやすく描き、かつしっかりとそれぞれの前向きな生き方を描いている素敵なヒューマンドラマになっています。
『わたしのアスチルベ』は一言でどんな漫画?
アロマンティックでアセクシャルな女性2人による心と生き方を考えさせられる深いヒューマンドラマ読み切り。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
わたしのアスチルベ | あむぱか | 89ページ | 少年ジャンプ+ |
『わたしのアスチルベ』の超ざっくりあらすじ
今まで彼氏ができたことがない女性・あおいは、その日出会いが多いと有名なバーに友人に連れられ来ていた。
しかしそもそも男性をそういう目で見ようとすることが出来ないあおいは、自分のその臆病な性格に苦しんでおり、その日も誰にも声をかけることができずトイレに逃げ込んでいた。
その時、たまたまそのバーに来ていた女性・奏(かなで)と出会う。
奏はあおいの悩みをその場で聞いてくれただけではなく、その複雑な気持ちを理解してくれ、さらには「あおいもアロマンティックでアセクシャルなのかも」と教えてくれた。
そんな言葉すら知らなかったあおいだったが、奏にその恋愛的指向を教えられた瞬間、肩の荷が降り、心が軽くなるのを感じていた。
その日から、自分は自分らしく生きようと決めたあおいは、服装も髪型も自分の好きなものに変え、生活を始めた。
奏とは頻繁に一緒に会って飲むような仲にもなった。
ある日、自分らしく生きる事を決め、どこか明るくなったあおいは、職場の同僚に告白される。
しかしあおいはしっかりと自分が特殊な人間であることを説明し、告白を断った。
ところが後日、その男性と友達として遊んでいる時、ふいにあおいがよろけてその男性にもたれかかってしまった瞬間、心がドキドキするのを感じてしまう。
あおいは、自分がアロマンティックでアセクシャルだと思い込んでいたのに、恋をした時のような感情に包まれて困惑していた。
あおいはすぐにその事を話すべく奏に会いに行ったのだが――。
『わたしのアスチルベ』のネタバレあり感想
僕もアロマンティックやアセクシャルについては無知でしたので、すごく勉強になりましたし、作中で奏が言ったセリフ「でも中には男も女も好きになるヤツもいる。だとしたら男も女も好きにならないヤツがいたっていいだろ」には「たしかに」と思いました。
この漫画の本当にすごいところは、単にアロマンティックやアセクシャルを描いたことではなく、あおいの描き方にあると思います。
中盤まではずっと自分もアロマンティックなのだ――と思い込んでいたあおいが、職場男性へ突然感じてしまう恋愛感情。
それは過去に起きた嫌な出来事が封印していた感情で、実は普通に恋愛できたのです。
それを知ってしまった自分の困惑と、同じくアロマンティックでアセクシャルだと信じてくれていた奏へとその事を告げるシーンはハラハラしました。
一時はあおいからの告白で感情的になった奏でしたが、最後にはそれぞれが自分の恋愛的指向・性的指向を理解した上で前のように仲良くしていく――というハッピーエンドになって本当に良かったです。
同時に、アロマンティックとアセクシャルというものがどういうものか、恐らくはそのほんの表面に触れたに過ぎないのでしょうが、それでもこの漫画を通して少しでも知れたことは良かったです。
読み応えも凄くあり、かつ感動もできて考えさせられる……そんな骨太の読み切り作品でした。
『わたしのアスチルベ』を読んだ皆さんの反応
『わたしのアスチルベ』は自分らしい生き方と恋愛指向を描いたヒューマンドラマ読み切り漫画
セクシャルマイノリティや身体に関する作品というのは、デリケートな分野であればあるほど色んな意見が飛び交って白熱しがちです。
僕としては漫画としてシンプルに考えたいので、そういう意味で凄く面白く読めましたし、興味深くも読めました。
因みにタイトルになっているアスチルベは、表紙になっているページで奏とあおいが手に持っている植物の名前です。
どこかマニアックな界隈での何らかの隠語になっていたりしたら知りませんが、素直に僕が調べたところによると花言葉が「自由」とか「気まま」だったので、それでつけられたのかも知れません。
とにもかくにも『わたしのアスチルベ』、おそらく読む人によって感想も全然違ってくる作品だと思うので、ぜひ読んで考えを巡らせてみて欲しいです。
そして『わたしのアスチルベ』が楽しめた方は、ぜひ作者であるあむぱか先生をフォローするなりして最新情報をチェックしてみてください。
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