今回ご紹介するのは、山素(やまもと)先生によるモーニング月例賞2021年6月期の佳作受賞作品なのですが……。
え、これで佳作?
と思わずにはいられない、最高に素敵で面白い作品です。
未来にしか物質を送ることができない大きな装置、高校生の時以来久々に再会する友人とのもどかしい雰囲気、お互いの心を近づけていく優しい会話……全てがあたたかく、面白い。
――とにもかくにも今回ご紹介するのは、山素先生による『時間跳躍式完全無劣化転送装置』です。
『時間跳躍式完全無劣化転送装置』は一言でどんな漫画?
久々に再会したかつての友人同士の女性2人が、タイムマシンとフランス料理とサンマとケーキの話で盛り上がりながらかつての2人に戻っていく、楽しくて優しいSF×ヒューマンドラマ読み切り。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
※↓↓タップ(クリック)で読めます。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
時間跳躍式完全無劣化転送装置 | 山素 | 37ページ | コミックDAYS |
『時間跳躍式完全無劣化転送装置』の超ざっくりあらすじ
その日、咲子のアパートを訪れたのは、高校生の時の友人であり7年ぶりに再会する楓だった。
高校生時代、お互い1人で過ごすことが多かった咲子と楓は、いつしかぼっち同士で話すようになり、いつしか仲良くなっていた。
そして楓はフランス料理の修行の為、日本を離れフランスへ行ってしまい、それからというもの連絡もなんとなく途切れがちになり、今に至っていた。
そんな若干の気まずさも残る中で迎えた再会の今、咲子はどこか緊張していた。
楓を部屋へと上げた咲子は、楓のフランスでの事や近況を聞いていたが、ふいに楓が咲子の部屋の片隅にある巨大な装置に目を留めた。
それは咲子の研究室のもので、時間跳躍式完全無劣化転送装置というタイムマシンのような装置だった。
物質を未来にのみ送ることが出来るその装置に楓は興味津々となり、咲子もまた楓へその装置の説明を始める。
次第に装置の説明に熱が入ってきた咲子は、楓がポカンとしていることにも気づかずに話しまくってしまうのだが……。
『時間跳躍式完全無劣化転送装置』のネタバレあり感想
冒頭でも書きましたが、とにかくめちゃくちゃおもしろかったです。
タイトルからある程度予測できるように、理系なSF装置が登場するのですが、それも目立ちすぎることなくバランスよく物語の中に組み込まれているように感じました。
メインとなるのは楓と咲子が久々の再会である――という微妙な友情の距離。
こういうのってものすごくあるあるだと思うのです。
仲良い友達だと思っていたのに、いつしか連絡も取らなくなってかなりの年月が経ってしまう。
そしていざ再会するとなる、果たしてあの時のままのテンションで接することができるのか?というか接していいのかどうか?すらもわからない。
――この作品では、しっかりとそういった微妙な友人との距離にも一つの答えを提示してくれています。
それが、思ったよりもお互い気を使っているし、思ったよりも2人は変わっていないということ。
この作品では時間跳躍式完全無劣化転送装置が一つのきっかけとなり、すんなりと楓と咲子は元の関係を思い出し、戻ることが出来ました。
結局、僕らは未来にしか進んでいけないのです。
そのことを、咲子と楓の関係と、さらにはSF的な時間跳躍式完全無劣化転送装置とを使ってすごく上手く描いていたように思います。
あと、読んでいてものすごく思ったのが、なんかめっちゃ読みやすいということ。
線の太さなどの絵柄もあるでしょうし、Tweetにもありましたがテキストも読みやすい。
こういう配慮、普段あまり意識しませんでしたが、この作品を読んで「めっちゃ大事なんだなぁ」と改めて知りました。
トータルで、すごく素敵で優しくて、かつSF的にも面白いかなりの傑作でした。
『時間跳躍式完全無劣化転送装置』を読んだ皆さんの反応
『時間跳躍式完全無劣化転送装置』はおすすめ読み切り漫画
SF×友情×久々の再会×時を駆けるサンマ×ケーキな最高に素敵で面白い読み切りでした。
普通は融合不可能に思えるものを、すごくうまくつなぎ合わせて物語を作ったような、センスを感じる作品でした。
もしまだ読んでいないのであれば、読みやすさと絶妙なバランス感に思わず唸ってしまうと思いますのでぜひ読んでみてください。
そしてこの『時間跳躍式完全無劣化転送装置』が面白かったのであれば、作者である山素先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
ブログ内で紹介してきた1巻完結・読み切り漫画の中から厳選した本気のおすすめ漫画特集、よければあわせて読んでみてください。
無料で読める読み切り漫画特集⇓⇓
1巻完結の漫画特集⇓⇓
全ての特集記事まとめ⇓⇓
コメント