自らの人生を大きく変えてしまった火事。
その火事をきっかけに少年は大きく変わり、表情を失った。
それでも少年は悪意と嘘まみれの現実世界を強く生き、夢に向かって歩き続ける……。
――今回ご紹介するのは、独特で引き込まれる描写が特徴の凰天先生によるヒューマンドラマ『Q』です。
『Q』は一言でどんな漫画?
漫画家志望の少年の持つ大きなトラウマと、悪意に満ちた現実とを独特な表現で鋭く描いた暗いけれども前向きになれるヒューマンドラマ読み切り。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
Q | 凰天 | 44ページ | コミックDAYS |
『Q』の超ざっくりあらすじ
かつて火事に巻き込まれ、顔面神経麻痺となってしまった少年・侑人(ゆうと)は、またも火事の夢を見て目を覚ました。
侑人にとって火事は大きなトラウマとなっており、また侑人の人生そのものを大きく変えてしまう出来事でもあった。
その日の朝、侑人は朝食時に母親から進路について聞かれた。
侑人は本当は日々漫画を描き賞にも応募したりしているのだが、その事を知るのは兄の貴人のみ。
母の問いかけに対し、侑人は言葉を濁すだけで漫画については全く触れずにその場を凌いだ。
――侑人が通う学校では、侑人は少し「ヤバイやつ」な扱いを受けており、日々コソコソと侑人に対する根も葉もない噂話や悪口が囁かれていた。
そしてある日、侑人が熱心に書き込んでいるノートを無理やり見ようとした同級生に対し、侑人の怒りが爆発してしまいケガを負わせてしまう。
その事件により母親が呼び出され、侑人を迎えに来たのだが、その帰り道に侑人は母親に対して本当の自分の夢を打ち明ける。
漫画家への夢、トラウマとなっている火事、クラスメイトの悪意ある陰口……侑人の中で様々な出来事が膨らんでいく中、あの日火事の現場に居合わせた人物からの手紙が侑人に届き……。
『Q』のネタバレあり感想
非常に独特な表現が魅力的な作品で、ものすごく惹き付けるパワーがあります。
火事という大きなトラウマを抱え、顔面の神経麻痺まで患ってしまった少年が、漫画家を目指し日々生きている様を暗く、淡々と描いており、漫画的表現で演出されるクラスメイトの陰口などがとても印象的です。
しかもクラスメイト達の陰口が、行き過ぎておらずリアリティ半端ないのも恐ろしいです。
この作品で描かれているぐらいの、ひどいイジメではないけれどもやんわりと拒絶されている感じ……。
この作品では、母親と漫画家へなるための条件として提示された「クラス内での成績上位」を皮肉なことにクラスメイト達からあらぬ疑いを掛けられたせいで1人だけ出席し達成してしまいます。
さらに、トラウマとなった火事の現場に居合わせた人物からの手紙に、漫画家になったら返事を書く、と決めている侑人が最後のシーンで返事を出しています。
全体的にすごく抽象的表現が多く、あえてハッキリとさせていない箇所が多い漫画でもあるので、明確なメッセージというのは受け取りにくく感じました。
しかし、それでも確かに感じるこの漫画の持つパワーというものが読む手をどんどと進めてくれたのもまた事実。
僕は読み終わった後に心があたたかくなりましたし、前向きな気持ちになれました。
人によって印象は変わるのかも知れませんが、決して暗い話ではなく、しっかりと未来を見てる漫画なのだと思います。
あなたなりに何を感じるか、ぜひ読んでほしいじんわりと心に沁みる良作でした。
『Q』を読んだ皆さんの反応
『Q』は漫画家志望の少年を変えたあの日の火事と悪意に満ちたこの世界を鋭く描写したおすすめ読み切り漫画
全体通して独特な表現が光る、映画のような読後感を得られる読み切り漫画でした。
火事、ラジオパーソナリティのアイドル、クラスメイトの陰口、自らの夢……。
それらが絶妙なバランスでこの作品の世界観を作り上げており、それがとてつもなくハマっている印象でした。
もしまだ読んでいないのであれば、読めば引き込まれる不思議で独特な表現が堪能できますのでぜひ読んでみてほしいです。
そしてこの『Q』が面白かったのであれば、作者である凰天先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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