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現代の闇に狂っていく青年はイカロスの翼を得る『イカロス病』【おすすめ無料読み切り漫画】

イカロス病

迷宮に幽閉されたダイダロスとイカロス父子は、脱出するために蜜蝋で鳥の羽根を固めて翼を作った。

無事に迷宮を飛んで脱出したダイダロスとイカロスだったが、イカロスは父の言いつけを守らずに太陽へと近づくほどに飛翔してしまう。

それにより蜜蝋が溶け、固められた翼はバラバラになりイカロスは墜落死してしまうのである。

――これが、ギリシャ神話の「イカロスの翼」の伝説の一部です。

技術を過信し、技術に溺れる者は痛い目に遭う、という教訓の込められた逸話ですね。

今回ご紹介するのは、浦野ウララ先生による『イカロス病』です。

この作品はジャンプルーキーの2021年8月期ブロンズルーキー賞作品であり、先にご紹介したイカロスの伝説を現代アレンジしたような面白く、そして怖い読み切り作品になっています。

『イカロス病』は一言でどんな漫画?

小説家志望の青年が、奇妙な生物を目撃したことをきっかけに狂っていく現代風イカロスの翼な読み切り作品。

この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。

読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。

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タイトル作者本編ページ数読めるサイト
イカロス病浦野ウララ33ページ少年ジャンプ+

『イカロス病』の超ざっくりあらすじ

日本各地で不気味な形状の生物の死体が多数発見されている世界。

そんなニュースを醒め視線で眺める武田は、応募した小説の賞から落選通知が届き落胆していた。

ところがちょうどそのタイミングで、武田は自宅アパートの目の前に落ちている奇妙な生物の死体を発見する。

衝動的に写真を撮った武田は、その場に駆けつけた警察官に「SNSで広めないように」と釘も刺されるが、逆にそのこともネタにしてSNSで拡散してしまう。

すると翌日、武田のスマホには数え切れない通知が来ており、多くの有名人達からも武田が投稿した画像が共有されていた。

武田は今までにないほどの人から賛同されたことに嬉しくなり、さらにすぐにテレビ局からのインタビュー依頼まで舞い込んでくる。

一気に運命が変わったかに思えた武田だったが、それこそがイカロス病の始まりであったことなどは気づくよしもなく……。

『イカロス病』のネタバレあり感想

とても不気味で先が気になる導入で、一気に読んでしまいました。

そして画力もすごく高いので、迫力も満点。

物語は、あまり細かな説明はせず、それでいて読者は何が起きているのかを見失わずに読み進めることができる丁寧な作りになっているなぁ、と感じました。

結局のところイカロス病ってなんなのか?という点も明言はされていないので、読む側が想像するしかありません。

作中から察するに、SNSなどにハマり、自己顕示欲、承認欲求、などのよく聞くSNSをやっていて陥りがちな欲望に支配された時、顔は変わり翼が生えてきてしまう病気なのかな、と想像できます。

あるいは、全てを裁く神になろうとした者がなってしまうのか……。

冒頭にも書いたギリシャ神話でのイカロスの伝説から想像すると、テクノロジー(つまりSNS?)を過信し、溺れていく者たちが神話と同じように翼を焼かれて墜落死していく……とも想像できます。

ラストシーン、イカロスのように墜落してしまった武田は、実は小説でも金賞を受賞していることが判明。

さらに武田意外にも多くのイカロス病にかかり変異してしまった人々が屋上に点在する怖いカットも描かれています。

――最後まで想像力を駆使させる、不気味で面白い読み切りでした。

そしてブロンズルーキー賞の作品を紹介するといつも思うのですが、流石のジャンプ編集部様、最後のコメントが的確過ぎてぐうの音も出ないという笑

『イカロス病』を読んだ皆さんの反応

『イカロス病』は現代の闇に狂っていく青年がイカロスの翼を得るまでを描いたおすすめ読み切り漫画

絵も迫力あって物語と世界観も絶妙な不気味さ。

ブロンズルーキー賞作品とは思えないパワーを感じる作品でした。

もしまだ読んでいないのであれば、惹き込まれる世界観の面白い作品ですのでぜひ読んでみてください。

そしてこの『イカロス病』が面白かったのであれば、作者である浦野ウララ先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。

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