「フライタクト」と呼ばれる人工飛行翼を開発し、力場の変動により空中へと浮いてしまった島々を移動しながら生活するようになった人類。
だというのに、高所で生活するようになった人類の中でも珍しい病にかかってしまった男がいた。
男は、極度の高所恐怖症だったのだ。
――今回ご紹介するのは、中国の赫連茨(かくれんじ)先生による壮大な空を巡る冒険活劇『Fly,Baby,Fly』です。
『Fly,Baby,Fly』は一言でどんな漫画?
浮遊諸島で暮らす高所恐怖症の男が、恐怖を克服し羽ばたく冒険譚。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
Fly,Baby,Fly | 赫連茨 | 48ページ | 少年ジャンプ+ |
『Fly,Baby,Fly』の超ざっくりあらすじ
浮遊諸島ナムグウ島――。
400年前、それまでは普通の海上の島々であった大地は磁場の異変で地面から浮き上がってしまい、そこで暮らしていたナムグウ人達は自然と空を舞う装置を開発し始めた。
そうして産み出された人工の翼「フライタクト」により、ナムグウ人は島々を飛んで移動することが可能となった。
そんな中、ナムグウ島が浮遊するようになってから初めてとなる珍しい症状「高所恐怖症」になってしまったタブという男がいた。
タブは幼い頃に高所恐怖症であることに気付き、高いところへ出ると身体が硬直してしまう。
このナムグウ島で生活する上で高所恐怖症は致命的な病であり、タブは昔からバカにされ続けて生きてきた。
しかし空を飛ぶことを諦めていないタブは、こっそり家では空を飛ぶイメージトレーニングを欠かさずに行っていた。
――ある日、幼馴染のニーマに連れられ、浮遊島の花畑へと向かったタブ。
操縦するのはもちろんニーマで、タブはただ怯えながら乗っていただけだったのだが、なんとそこで最近街で噂になっていた巨大怪鳥と遭遇してしまう。
さらにニーマは負傷してしまい意識不明に。
タブは怪鳥と空を舞う恐怖とに襲われながらも、なんとかニーマを助け出そうと勇気を振り絞るのだが……。
『Fly,Baby,Fly』のネタバレあり感想
ものすごく楽しそうな世界観に、パワーのある絵柄で惹き込まれる読み切りでした。
空に浮かぶ島々で暮らすナムグウ人なのに高所恐怖症になってしまったという悲しき男・タブ。
トラウマになりそうなレベルの嫌な体験をしているにも関わらず、空を飛ぶことを諦めていないタブさんたくましすぎます。
そしてタブの幼馴染であるニーマも登場し、この作品ではタブが大空を飛び回れるようになるための大冒険が描かれるのですが……。
全体的には先に書いたようにワクワクできましたし、タブの成長物語として見れば面白いのです。
しかし、ちょっと宙ぶらりんな設定だったり、もうちょっと描いてほしかった!と思うような点もあってモヤっとしちゃいました。
例えば、冒頭で読者の興味を引いたであろう島々の安全を守る飛行隊「ラプターズ」。
てっきり主人公タブがラプターズに入ったりするのかと思いきや、意外にもラプターズは物語とほぼ絡まずに終わります。
そして僕的に一番気になったのが、タブとニーマの関係をよく思わない、いわゆる典型的な恋敵的ライバルであるラサンの存在。
ラサンが2人を邪魔しようとし、さらに巨大怪鳥を待ちわびるところまでは違和感ありません。
しかし怪鳥を目撃し、固まってしまったラサンの描写が最後の登場とはこれいかに?
ここからは勝手な想像ですが、もしかしたらこのあとラサンとの絡みもガッツリあったのですが、ページ数の成約などで削らざるをえなくなり、ちょっと半端なラサンさんになってしまったのかな……と思います。
最初からラサンの登場がアレで終わる予定だったとは思えませんので。
――総じて、パワーもあって楽しそうな設定でワクワクはしたのですが、もったいないなと思う箇所も多かった印象の作品でした。
次回作もぜひ読んでみたいですね!
『Fly,Baby,Fly』を読んだ皆さんの反応
『Fly,Baby,Fly』は浮遊諸島で暮らす高所恐怖症の男の冒険譚を描いたおすすめ読み切り漫画
惜しい部分はあったものの、細かな絵と情熱を感じる素晴らしい力作でした。
むしろ倍ぐらいのページ数があれば傑作になった可能性ありますね。
半端になってしまった設定の数々が実にもったいないです。
もしまだ読んでいないのであれば、ぜひこの中国の漫画家さんの力作を読んでみてください。
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そしてこの『Fly,Baby,Fly』が面白かったのであれば、作者である赫連茨先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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