「スマホで私の事を撮ってほしい」
そう言ってきた女性は、来年中には死ぬのだと言う。
スマホで撮影してほしい理由は、自殺の理由がネガティブな事ではない事を証明したいから……。
――そんな一見ヘビーなお願いから始まる鹿原史生先生による読み切り漫画『ドロップアウト』を今回はご紹介。
『ドロップアウト』は一言でどんな漫画?
来年には死のうと決意している女性と無気力な男子高校生との考えさせられるし泣ける傑作青春読み切り漫画。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
ドロップアウト | 鹿原史生 | 46ページ | 少年ジャンプ+ |
『ドロップアウト』の超ざっくりあらすじ
無気力に活きている男子高校生のコタローは、ある日突然駅で寧々という名前の女性に声を掛けられる。
寧々は「私のことをスマホで撮影するバイトをしてみないか?」とコタローにお願いをし、同時に「実は来年には死のうと思っている」事もコタローに告げる。
もちろん、怪しさしかないので断ろうと思っていたコタローだったが、なんだかんだで気になってしまい、とりあえずそのバイトをやってみる事に。
お互い深く干渉し合う事はなく、淡々とコタローは寧々の「バケットリスト」に従い寧々がやりたい事を消化していく様子を撮影するだけの日々。
そうこうするうちに月日は流れ、気付けば寧々にとっての「来年」である正月が来てしまい……。
みたいな内容。
『ドロップアウト』のネタバレあり感想
来年には死ぬ、という宣言から物語が動いていく、かなりヘビーなスタートの漫画でしたが、最後にはしっかり泣かされる非常によくできた読み切りになっています。
前向きに活きて前向きに死ぬ、というのも多様性だの自由な生き方だのが重要視される現代、あながち選択肢としてなくはないのかな、なんて思ったりもしちゃいました。
(もちろん、普通に考えたらダメです。生きましょう)
無気力高校生と死ぬ予定女性との物語は一体どうなるのか? とハラハラしながら読み進めましたが、ある意味で期待を裏切らないハッピーエンドで良かったです。
ただ同時に、これだけ重めのテーマなのだからいっそのこともっと胸クソ悪い感じの終わりでも面白かったのかも、なんて思ったりもしました。
とはいえ、ちゃんと終盤には寧々が感情をぶちまけて海へ叫ぶシーンがあったり(コタローがイヤホンしてて聴こえないっていうのも最高)、兄夫婦に子供が産まれたという出来事があったりと、「生きるという選択をする為のフラグ」はしっかり立っていましたし、読後感も爽やかだったので最良の結末だったのかも知れません。
とにもかくにも、ヘビーな始まりながら面白く読めましたし、最後には涙腺やられる心温まる素敵な読み切り漫画でした。
『ドロップアウト』を読んだ皆さんの反応
『ドロップアウト』は生死について考えさせられる極上のおすすめ読み切りヒューマンドラマ漫画
なんだか色々と刺さるセリフの多い漫画でもありました。
死は必ずしもネガティブなものではないのでしょうが、やはり死のうと思うような人生は送りたくないとも思います。
しかし状況によっては死が救いになるような事もあるのでしょうし、そういう経験がない者にその事について偉そうに語る資格はないのでしょう。
そういった哲学的、倫理的、精神的なめちゃ難しい問題に向き合ったこの漫画の主人公コタローが、寧々に言ったセリフ
「死にたいなら止めないですけど、それでも生きててくれたら嬉しいっすね」
はものすごくしっくりくる、色んな思いを代弁してくれるセリフだったように思いました。
この作品を読んで何か感じるところがあった方は、ぜひ作者の鹿原史生先生の事も応援してみてください。
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