【読み切り】ノリで手首を切った青年の血と涙の物語『流血所』【おすすめ漫画】

へー、血液ってお湯よりぬるいんだ……。

お風呂場で浴槽に浸かりながらタバコをふかし、切った手首からは大量の血が流れ出ている。

そんな衝撃的な始まり方をする、岩井トーキ先生の『流血所』を今回はご紹介します。

読む人によってはもしかしたらものすごく共感できて、苦しい作品かも知れませんので、本編読むのが怖い方はこの記事を読んで参考にして頂ければと思います。

この時点でもう読みたい！と思った方はぜひ読んでみて下さい。

面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。

※↓↓タップ（クリック）で読めます。

『流血所』の超ざっくりあらすじ

その日、26歳の青年・流太（りゅうた）は風呂場で手首をカミソリで切り、失血死しようとしていました。

ところが、幻覚なのか何なのか、突然目の前に流太と人生を共にしてきたという血液の精霊が現れます。

血液の精霊はしこたま流太に説教をしますが、流太は全く反省する様子を見せません。

怒った血の精霊は、拷問として流太の黒歴史を思い出させる走馬灯のようなものを流太に見せます。

それでもへっちゃらな流太は自分に言い聞かせるように自らの人生、そして逃げ続けてきた自分についてを語り出し、ノリで死のうとしたことも開き直って血の精霊に話していたのですが……。

『流血所』のネタバレあり感想

非常に感情を揺さぶられる読み切り漫画になっていました。

まず始まりで流太がリストカットしているので、かなりヘビーな内容なのか？と身構えていたのですが、すぐに現れる血の精霊によってその心配は吹き飛びます。

とはいえ流太が死のうとしているのは変わらないので、次第に流太の心の内が明かされていくにつれてなんとも息苦しい感覚になりました。

しかし終盤、やはり「死にたくない」という本音を言った流太は、最後の力を振り絞ってなんとか生きようとスマホで電話を掛けようとします。

――最後まで血の精霊の正体（本当に精霊なのか、幻覚なのかなど）は明かされませんが、最終的には生きようと足掻く流太にじわじわと感動させられました。

最後の瞬間を自分で迎えようとする人の本当の気持ちというものは案外この漫画で描かれていたようなものなのかも知れませんし、生きようと思う事もまた同じようにノリみたいなものなのかも知れません。

この漫画で登場した血の精霊は、もしかしたら「生きよう」「生きたい」と思ってい流太の心そのものが生みだした幻影で、必死に死のうとする自分自身を説得にきたようにも考えられます。

生き恥晒して苦しんで死ね――

最後に血の精霊が流太に対して言い放った一言が、なんとも愛と厳しさに溢れた良いセリフです。

『流血所』を読んだ皆さんの反応

『流血所』はノリで手首を切った青年の過去を血液と一緒にのぞき込む、考えさせられる読み切り漫画

ずっとお風呂場だけで展開している物語ですが、人生のエッセンスが凝縮されているような非常に考えさせられる読み切り作品になっていました。

この作品に対してのTwitterなどを見ていると、過去を思い出しちゃった――みたいなつぶやきも散見されたので、読む際には少し心にクル可能性がること、ご了承の上で読んでみて欲しいです。

そしてこの作品が気に入った方は、ぜひ作者である岩井トーキ先生をフォローして最新情報をチェックしてみてください。

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