幼い頃の心というものはものすごく繊細、かつ不思議なもので、全然嫌いじゃない友人としょうもない事で喧嘩をしてしまい、それ以降全く話さなくなってしまう――というような意地を張っているだけの仲違いなんかもしちゃいがちです。
大人ならなんとかきっかけを見つけて謝って仲直りできるのですが、子供だとそれも出来ずに本当に仲違いしたままになってしまことも……。
そんな時、「化け狸が出る」と噂されているとある道で、自分に化けているであろうたぬきが仲違いしてしまった友人と楽しそうにしている姿を目撃してしまったとしたら……。
――というわけで今回は、景山五月先生によるハートフルでたぬきが可愛い読み切り『たぬきの通り道』をご紹介します。
『たぬきの通り道』は一言でどんな漫画？
喧嘩したままの少年２人の仲を取り持つかのように現れた化け狸と少年達とのハートフルで感動的な優しい読み切り作品。
この時点でもう読みたい！と思った方はぜひ読んでみて下さい。
読もうか迷っている方は、この記事を読み進めて判断していただければと思います。
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| タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
| たぬきの通り道 | 景山五月 | ２３ページ | コミックDAYS |
『たぬきの通り道』の超ざっくりあらすじ
地元の老人に「化け狸の通り道」と噂されている山道の入り口。
貫太はそこで自分の姿に化けているたぬきと、かつて仲違いしてしまった同級生のしょーくんとが仲良くお話している姿を目撃した。
自分に化けているたぬきの後を追った貫太は、まんまとしょーくんから食べ物を貰ったたぬきが姿を戻す瞬間を見計らい、たぬきを問い詰めた。
たぬきは「食べ物をもらう為に化けている」と貫太に説明したが、貫太が「畑から直接取って食えばいい」と言うと、「そんな卑しいことはしない」と言う。
そのまま貫太が問い詰めていると、怒りだしたたぬきは突如巨大なたぬきへと変身し、貫太に化けるのを辞めてやってもいいが代わりにしょーとか言う小僧を食べちゃう、と貫太を脅し始めた。
慌てた貫太は、意を決して仲違いしたままになっていたしょーくんに声をかけ、事情を説明しようとするのだが……。
『たぬきの通り道』のネタバレあり感想
短いながらもしっかりと要素の凝縮された、素敵で感動的な良い読み切り漫画でした。
最初のページから「自分に化けたたぬきを目撃しちゃう」という無駄を省きまくったスタートダッシュを切り、化けている自分が話している相手というのが「かつて仲違いしてしまった同級生」というのもまた良いです。
そして貫太に捕まったたぬきの言い分も可愛くて、畑を荒らすのではなくわざわざ貫太に化けて食べ物を分けてもらう――という非常にマジメな方法で食べ物をゲットしているのもなんとも可愛らしいです。
中盤、たぬきはちょっと怖い姿を見せ、「しょーくんを食べちゃう」と言い始めます。
そしてその事をきっかけにまたしょーくんと話すこととなる貫太でしたが、その場にまたも化け狸が現れ本当にしょーくんを食べようとします。
それに焦った貫太は、しょーくんと本当は仲直りしたいことなどを勢いまかせに吐露することになり、その瞬間化け狸はキレイサッパリと消え去ってしまいます。
なんだ、たぬきさんただのいいヤツじゃん
と、ほっこりしながら読み進めると、さらにラストページでもう１つの驚きが。
かつてしょーくんと貫太とが仲良く遊んでいた頃、夕方になると山道付近に現れ、一緒に遊んでいた友達がいたことを思い出したのです。
そう、この化け狸と貫太とは初めて会ったわけではなく、かつて一緒に遊んでいた仲だったわけです。
だからこそ、一緒に遊んでいたはずの貫太としょーが仲違いしたことも悲しくて、今回のように仲直り作戦をしてくれたのでしょう。
化け狸が消えた時の最後の一言「また遊ぼう あんぽんたん」も、ラストページを読んでから再度読み直すとまた違った印象になります。
それはかつて遊んだ旧友への言葉だったのです。
――短い作品ではありましたが、泣ける要素と面白い要素がしっかりとギュッと詰まっている、とてもうまくまとまった良作だったと感じました。
ぜひ多くの方に読んでみてほしい、そう思える素敵な作品です。
『たぬきの通り道』を読んだ皆さんの反応
『たぬきの通り道』はたぬきが繋ぐ少年達の友情を描いたハートフルなおすすめ読み切り漫画
短い作品ではありましたが、とても優しくて感動的な素敵な物語でした。
たぬき、可愛いです。
もし本当に化けるたぬきが存在しているのだとしたら……そんな事を想像するだけで幸せになれる不思議な力をたぬきって持っていますよね。
これが化け狐だと、またちょっと違うのも不思議です。
化け狐はたぬきよりも怖いイメージありますし、可愛さもあまりないです。
この差ってなんなんでしょう？
――もしまだ読んでいないのであれば、きっとあなたの心を少し癒やしてくれると思いますのでぜひ読んでみてください。
そしてこの『たぬきの通り道』が面白かったのであれば、作者である景山五月先生を応援し最新情報をチェックしてみてください。
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