コロナ禍に苦しめられた世代だからこそ生まれたのだろうと思える、全ての人間が汗や呼気から毒を出すようになってしまった世界。
その毒への耐性があるのは実の親子のみで、直接手を繋ぐことができるのも血のつながった親子だけ……。
――今回ご紹介するのは、程野力丸先生による人間が毒を出すようになってしまった世界での親子の物語『毒で探して三千里』です。
念の為補足しておきますが、1976年に放送された世界名作劇場2作目のアニメ作品『母をたずねて三千里』がタイトルの元ネタだと思われます。全く知らない方は興味あればwikiを読んでみて下さい⇒母をたずねて三千里wiki
『毒で探して三千里』は一言でどんな漫画?
全人類が毒を出すようになってしまった世界で、離れ離れになってしまっている親子の再会の物語。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
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タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
毒で探して三千里 | 程野力丸 | 41ページ | 少年ジャンプ+ |
『毒で探して三千里』の超ざっくりあらすじ
全人類が毒を出す「毒人間」となってしまった世界。
特殊な毒を持っている為に娘と離れ離れでの生活を余儀なくされている母親は、その日監視員に自分の毒をわずかに飲ませ、娘に会いに行く決意をしました。
一方、その母親の娘・有里沙(ありさ)は、ガスマスクを着けた状態で保育園に預けられていました。
他の子ども達がガスマスクを着けていない中、有里沙だけは特殊な毒を持つ母の娘である為にガスマスクを外す事が許されていないのです。
有里沙は政府監視の元で暮らしており、直接手を繋げる血のつながった家族もいません。
さらに保育園では他の園児の子供から、体調不良を有里沙のせいにされたり、マスクをしていることを他の園児にからかわれたりもします。
そんなある日、保育園に突然有里沙の母親と名乗る人物が現れ――。
『毒で探して三千里』のネタバレあり感想
コロナ禍における人と人との距離、そしてマスクを着けたままの生活……それらをひっくるめて生まれたような、なかなかに考えさせられるお話でした。
つまり恐らくは世界中を恐怖で包み込んだ新型コロナウィルスを、「人間自らが発する毒」に置き換えたような内容になっており、特に今だからこそ響きます。
展開としては予想通りに最後母と娘が再会して終わるのですが、最後に母娘がガスマスクを外し抱き合う場面で、他の園児は特殊な毒に触れぬよう逃げ出し、園の職員もはばからずに「皆さんこっち来て!」と他の園児を遠ざけようとしているのが印象的でした。
危険なものは危険、けれども母と娘の再会も祝福してあげたい――そんな、まさにコロナ禍で渦巻いた様々な葛藤と現実とを表しているかのような描写でした。
独特な雰囲気とタッチですが、とても考えさせられる面白い作品でした。
『毒で探して三千里』を読んだ皆さんの反応
『毒で探して三千里』は毒への耐性でわかる親子の絆を描いた、コロナ禍の影響色濃いおすすめ読み切り漫画
とにもかくにもこの作品『毒で探して三千里』はクライマックスのインパクトに魅力が集約されているなと感じました。
有里沙とお母さんが互いにマスクを外して抱き合い、他の園児は逃げ出し、2人の周りには毒が舞う――今コロナ禍で起きていることの縮図のようです。
色々と考えさせられる、ダークだけれどとても面白くて感動的な傑作でした。
ぜひ、この作品が面白いと思った方は程野力丸先生を応援してあげてください。
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