星新一のSFショートショートが好きな方や、藤子・F・不二雄先生のブラックな作品、さらには手塚治虫先生のちょっとゾッとするような短編などが好きな方――。
そのような方には全力でおすすめできるのが、今回ご紹介する南野夏雄先生による読み切り漫画『減量機械』です。
以前南野先生の読み切り作品として、『Jack&Liar』をご紹介しました。
『Jack&Liar』は猫と殺し屋の、アクションあり涙ありの傑作だったのですが、今回ご紹介する作品はちょっと違う読後感。
ぜひその辺りの違いも楽しんでいただければと思います。
『減量機械』は一言でどんな漫画?
工場で働く青年が妹を救う為に究極のダイエットマシーンを作る、ダークでメッセージ性も強めの読み切り作品。
この時点でもう読みたい!と思った方はぜひ読んでみて下さい。
面白そうかどうかの判断がつかない方は、この記事を読み進めていただければと思います。
※↓↓タップ(クリック)で読めます。
タイトル | 作者 | 本編ページ数 | 読めるサイト |
減量機械 | 南野夏雄 | 34ページ | 少年ジャンプ+ |
『減量機械』の超ざっくりあらすじ
ロボット産業が主流となり、社会的格差もその為に広がってしまっている近未来。
工場で働く主人公の山田は、ある日工場の所長に呼び出されます。
そこで告げられたのは、とあるロボット競技会に出品するロボットを作ってほしい、というものでした。
ロボット産業が当たり贅沢病もまた社会問題になっており、贅沢病によって肥えた人々をまた更にロボットによって痩せさせる「ダイエットマシーン」を作ってほしいと言うのです。
それを作ることによって賞与などは出るのか?と所長に尋ねる山田でしたが、所長は
「実は山田くんが今している仕事は今後機械で代用することになったから解雇にする。その競技会で優勝できたら、解雇も取り消してあげる」
というむちゃくちゃな事を山田に告げました。
理不尽過ぎる状況ではあれ、反論できない山田はそのままロボット作りをすることになります。
――消沈し家に帰った山田を待っていたのは、山田の妹です。
山田は両親を亡くしており、今は一人で妹を養っています。
しかし給与も良くない為、その日もカップヌードル1つしか食べさせてあげることができませんでした。
国からの補助も優先順位が低いからと断られ、ただただ飢えている妹に何もしてあげられない現状を嘆く山田。
しかしある日工場でケガをしかけた山田は、全てのひっくり返す案を思いつきます。
そして迎えたロボット競技会の日、山田が出品したダイエットマシーンは、とんでもないものだったのです――。
『減量機械』のネタバレあり感想
読み始めてすぐに感じる、SFショートの傑作な雰囲気。
そして読み終わってそれが間違った予感ではなかったことがはっきりしました。
とても面白く、まさに星新一先生のブラックさのあるショートショート読んだ時のような、不気味なんだけど清々しい、不思議な読後感を味わえました。
主人公山田が貧乏で、妹を食わせるのすら難しいレベルのギリギリであるという設定もしっかり意味があり、狂気的なダイエットマシーンを作り上げた理由にも直結しているのがうまいなぁと思いました。
似たような雰囲気の作品をいくつか描いて、短編集にでもしてくれたら絶対買いたい!と思えるような、非常にハイクオリティで面白い傑作読み切りでした。
『減量機械』を読んだ皆さんの反応
『減量機械』は貧困に喘ぐ青年が作り出した超コワイ究極のダイエットマシーン誕生までを描いたおすすめ読み切り漫画
『減量機械』は様々なものが一切の無駄なく詰め込まれていて、グイグイ惹き込まれる傑作読み切りでした。
終わり方はちょっと怖い感じなんですが、面白いものを読んだ時に出るアツイ鼻息が出てしまう感じ――最高でした。
ちょっと違った雰囲気になっている『Jack&Liar』もよければぜひ読んでみてほしいです。
こちらも読み切り作品で、同じように無料で読むことができます。
そして、この作品が気に入った方は、ぜひ南野夏雄先生をこれからも応援してあげてください。
ブログ内で紹介してきた1巻完結・読み切り漫画の中から厳選した本気のおすすめ漫画特集、よければあわせて読んでみてください↓↓
コメント